円高メリット注目株 ベガコーポレーションを分析

今回はグロース市場に上場している小型株、ベガコーポレーションを分析します。

 

 

事業概要

家具などを取り扱うECの【LOWYA】の運営をしています。

 

【LOWYA】で扱う商品は自社企画の商品が多いですが、他社製品の取り扱い強化による商品数と品目数の拡大を進め、旗艦店のプラットフォーム化を中期事業方針として掲げています。

 

楽天など他社プラットフォームにも出店しており、旗艦店の売上比率は近年は50%程度で推移しています。

 

現在のところ業績貢献は小さいですが、越境ECのDOKODEMOも展開しています。

DOKODEMO事業のビジネスモデルは流通総額から一定の料率で手数料を取る、プラットフォームビジネスです。

 

直近決算の23年3月期2Qの流通総額は前期比161.2%と高い成長性を示しています。

ただDOKODEMO事業はまだ恒常的に利益が出る事業ではないため、これからも流通総額の成長を続けられるかが注目です。

 

ファンダメンタル

業績

開示資料を基に作成 今期予想はレンジの下限

ベガコーポレーションの売上は20年3月期まで安定的に成長を続けていましたが、コロナによる影響が強かった21年3月期は、跳ね上がる形で売上が増加しました。

 

22年3月期はコロナ影響が減衰したことにより減収となりましたが、20年3月期を上回る水準で推移しています。

 

営業利益は為替や商品市況などの影響を受けるため、ボラティリティが高くなっています。

19年3月期は主に配送コストの上昇により、赤字転落となりました。

 

そして23年3月期は為替の急激な円安進行などの影響を受けています。

2Qまでの実績では、原価上昇の影響を受けながらも販管費の削減などのコストコントロールにより、黒字を保っています。

 

バランスシート
流動資産 6,363 流動負債 2,171
固定資産 1,194 固定負債 39
23年3月2Q時点 (単位:百万) 純資産 5,348

 

流動資産の内20億円は現金で財務も比較的強固です。

 

株主還元

特需により業績が好調だった21年3月期から配当を開始しており、DOE2%を目安として継続的な配当を目指すとしています。

参考:DOE=株主資本配当率 

 

1月20日時点の株価では配当利回りは1.97%となっています。

今のところ毎期10円の配当を実施しています。

 

株主優待も実施しており、3月期末の株主を対象としてLOWYA旗艦店20%割引クーポンか1,000円分の寄付の優待内容を選択できるようになっています。

 

株価

株価指標

TradingView提供のチャート(1月20日終値時点の株価)

ベガコーポレーションの現在の株価は上場来安値付近で推移しています。

業績のボラティリティが大きいため株価もボラティリティが大きくなっており、2020年には一時4000円を超えるような場面もありましたが、現在はその10分の1程度の株価で取引されています。

 

PER(予)   295.7倍(予想のレンジ下限の場合)

PBR(実)   1.0倍

時価総額 約54億円

 

株価を分析 割安感ある水準か?

 

現在の株価水準と利益水準は20年3月期の業績低迷時と同じ水準です。

当時と違う点で株価にマイナスに働く要因は、金利上昇によるPERの切り下がりと、為替な事業環境の不透明さがあります。

 

一方でプラスの点は旗艦店の会員数の増加などベースの部分の成長と、21年度と22年度の好調な業績により、純資産が積み上がっている点、売上が高水準を維持している点です。

 

金利環境に関しては、日本銀行の金融政策に不透明感はありますが、日本が利上げした場合、為替は円高に働くため、業績にはプラスになります。

 

売上は特需が減衰した後も、高水準を維持しているため、為替などの外部環境も落ち着き、販管費の削減などが継続される場合、利益の反発も一定程度大きいと考えられます。

 

現在の株価水準はPBR1倍水準ですから、以前よりも割安感があります。

仮に業績改善に時間がかかるとしても、配当方針がDOE2%というのが株価の下支えとなるでしょう。

 

DOKODEMO事業の利益貢献の期待や、旗艦店のプラットフォーム化への期待など、中長期的な期待もあるため、ウォッチリスト入れときたい注目銘柄だと思います。

 

この記事は2023年1月20日時点で公開されている情報を基に作成しています。

投資は慎重に、自己責任でお願いします。