乃木坂46合同会社の関連銘柄、KeyHolder(4712)の業績・株価を徹底分析

 

今回は個人的に注目しているスタンダード市場上場のKeyHolderについて分析します。

 

KeyHolder(4712)はどんな企業?

KeyHolderの事業内容は芸能プロなどの総合エンターテインメント、広告代理店、映像制作、その他に大別されます。

 

有価証券報告書を基に作成

営業利益でみると総合エンターテインメント事業の利益貢献が大きくなっています。

そしてKeyHolderの一番の特徴といえるのはプロデューサーとして有名な秋元 康氏が大株主(2022年6月末時点で7.59%保有)であり、特別顧問を務めている点です。

 

また、秋元 康氏がプロデューサーを務めている乃木坂46を運営している、乃木坂46合同会社持ち分を50%保有している会社を2020年に買収しました。

KeyHolderにとって乃木坂46は利益貢献が大きい主要なコンテンツとなっています。

 

 

他の主要コンテンツとしては、SKE48、Novelbrightがあります。音楽アーティストが主要コンテンツですので、イベントが正常に開催できるようになってきた事は業績にプラスに働いています。

 

(単位:百万円)

2021年12月期2Q

2022年12月期2Q

セグメント利益

738

1,414

(内、持分法投資利益)

707

755

総合エンターテインメント事業セグメント利益,同社開示資料より作成

 

乃木坂46合同会社の業績は?

乃木坂46合同会社の業績は以下のようになっています。

(単位:百万)

売上高

当期利益

2020年12月

3,968

1,394

2021年12月

12,554

1,729

KeyHolderの有価証券報告書を基に作成

 

乃木坂46合同会社は3月期決算のようですが、KeyHolderが12月期決算のため12月末までの1年の業績といった形の要約財務情報として公表されています。

 

2020年12月末までの1年の業績を見てみると、おそらくコロナで活動が著しく制限された影響でかなり落ち込んだのだと思います。

2021年12月末までの1年は活動も一定程度回復したので、売上は急回復しています。

 

利益面に関しては経営戦略や税効果会計などによって変動が起こりやすく、乃木坂46合同会社の業績開示は売上と当期純利益しか開示されていませんので理由を考察するのは難しいです。

足元の業績ですが、ライブなどの収益イベントを順調にこなしてきており、次の決算も堅調な数字が期待されます。

 

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乃木坂46合同会社の資本構成などを解説している記事です。

20daiinvestor.com

KeyHolder株価推移とバリエーション (22年10月14日終値時点)

株価   823円

時価総額 156億円

PER(予)  11.9倍

PBR(実)  0.87倍

配当(予)  10円 

TradingView提供のチャート

株価の推移ですがここ1~2か月は概ね800~900円で推移しています。

2020年5月近辺で暴騰していますが、これは乃木坂46合同会社の権利を持つ会社の買収を意識した暴騰でした。

その後は軟調に推移し、今年3月には500円を割り込む場面もありました。その後は自社株買いや堅調な業績もあり、株価は反転して底堅い値動きとなっています。

 

また、7月15日には業績の大幅上方修正を発表しています。

上方修正の要因は、リオープニングによるイベント関連の想定を超える実績や、映像制作事業の好調、新規制作案件の獲得などが挙げられています。

 

主な株価に影響するポテンシャルとリスク

個人的に考えているKeyHolderのアップサイドシナリオとリスクシナリオを挙げてみます。

アップサイドシナリオ

  • エンタメ関連の事業拡大
  • 割安な価格での買収
  • リオープニングによる予想を上回る業績着地
  • PBR1倍割れや成長性を意識した市場での見直し
  • チケット価格の見直しなどによる利益率維持・向上
  • 米国の金利低下など投資環境の好転

 

リスクシナリオ

  • 主要コンテンツの人気低下・競争激化
  • 景気後退・減速による広告関連の減収
  • 予想を下回る業績着地
  • 割高な価格での買収
  • 米国の金利上昇など投資環境の悪化

 

以上のような事がアップサイドとリスクとしてはあると考えています。

足元で消費者物価(主に財)が上昇していますので、価格転嫁出来るかどうかが企業の生命線となっています。

総合エンターテインメント事業の、主要コンテンツのチケット価格などは値上げは容易だと考えます。

特に乃木坂46に関してはライブチケットは需要超過の状態が続いていますので適切なプライシングを考える時期が来ているのではないかと個人的には思っています。

 

また、映像制作では同社子会社の制作番組の「イタズラジャーニー」(フジテレビ)のレギュラー化などもあり、決算では業績への貢献を確認したいところです。